バイトの労働条件

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杉本章子 「残映」 の読書感想。

杉本章子 「残映」 文春文庫徳川幕府、最後の南町奉行、佐久間鐇五郎。明治維新後、彼が辿った生き様を描きたかったのだろう。しかし、捕り物帖を絡ませざるを得なかったのが辛いところで、少々、違和感を感じた。この佐久間鐇五郎は、南町奉行まで勤めた人物なのだから、新政府でも望めば、それなりの役職は得られただろう。しかし幕府瓦解を期に、以前より興味のあった指物師に転向してしまう。高級旗本から一介の職人へ。しか...

杉本章子 「妖花」 の読書感想。

杉本章子 「妖花」 文春文庫時代小説、その中でも市井ものといわれるジャンル。このジャンルなら、藤沢周平を一番多く読みましたが、ほろりとする作品が中心でした。ところがこの杉本章子は違う。最後の最後まで、主人公に明るいラストを残すかのように期待させといて・・・落とす。この短編6編は、ほとんどラストで暗澹たる気持ちにさせられます。でも、こういった展開も必要です。起承転結、様々な流れがあって、最後どうなる...

杉本章子  「爆弾可楽」  の読書感想。

杉本章子  「爆弾可楽」  文春文庫これは面白い。表題作「爆弾可楽」と「ふらふら遊三」からなる中篇二編。可楽や遊三でピンと来るでしょ?歌舞伎じゃないよ、落語だよ。幕末に実在した、破天荒な人生を送った二人の落語家が主人公。あらすじ=ネタバレなんで、どう紹介しようかと悩ましいが、落語が好きな人は是非、捜して読んで欲しい。「爆弾可楽」は貧乏旗本のあぶれもの。剣術なり学問に秀でなければ、養子においそれとな...

杉本章子  「名主の裔」  の読書感想。

杉本章子  「名主の裔」  文春文庫「名主の裔」143ページ、「男の軌跡」72ページの2編。初期の中篇集なんですが、どちらも大して面白くない。「東京新大橋雨中図」「写楽まぼろし」が面白かったんで、杉本章子の文庫は全て購入して、初期からじっくり行きますか♪と始めてみたのだが、最初期は予想以上につまらなかった・・・。表題作「名主の裔」は、幕末江戸から明治東京に激変する世界が、名主の目から描かれた異色作...

杉本章子  「写楽まぼろし」  の読書感想。

杉本章子  「写楽まぼろし」  文春文庫田沼意次から松平定信にかけての江戸期。地本問屋(出版社)として新商法の限りを尽くして、当時席巻した蔦屋重三郎が本編の主人公。当時の人気俳優中村仲蔵の援助を得て、絵草子屋を吉原大門の前で開いた先見の明。開業したはいいけど、普通の絵草子だけ売ってても酔客や遊び人が店を冷やかすだけ。蔦屋が目論んでいたのは、ここで吉原細見、今で言う遊女の情報雑誌を売れば当たるという...

杉本章子  「東京新大橋雨中図」  の読書感想。

  杉本章子  「東京新大橋雨中図」  文春文庫私の住む街だけなのかも知れぬが、杉本章子の文庫本が新刊書店では不思議と売っていない。文春文庫はどの書店でも、そこそこの売り場を確保しているのだが、これほど面白い、まったく驚いてしまった面白い小説である杉本章子なのに、今は何があったのか、一冊も置いてない。アマゾンでは普通に売っているので、絶版にはなっていない様子。近頃の新刊書店は、どこでも経営が厳しい...
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