バイトの労働条件

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中川右介 「カラヤン帝王の世紀」 の読書感想。

中川右介 「カラヤン帝王の世紀」 宝島新書クラシック指揮者、帝王カラヤン。20世紀のレコード&CD勃興とメディア戦略にうまく乗り、そのルックスと商才、そしてなんと言っても認めざるを得ない音響美。芸術とビジネスを見事にドッキングし過ぎたことが、彼の芸術的評価を屈折させているが、百年後、そこそこの評価を得られていると私は思う。ちなみに、現在残されている数多くのレコードやCD。古い演奏やアナログ録音だとど...

中川右介 「カラヤン帝国興亡史」 の読書感想。

中川右介 「カラヤン帝国興亡史」 幻冬舎新書ヘルベルト・フォン・カラヤン。戦後のクラシック界の頂点に君臨した帝王。彼の人生を描いた、おもしろーい一冊。私は丁度、カラヤン帝国に陰りが見られ、バーンスタインや、クライバーが全盛だった頃にクラシックに目覚めた世代。テレビで初めて、N響アワーを見た時、感銘を受けたのが、ミッシャ・マイスキーのハイドンのチェロ協奏曲だった。そんな時代。だからカラヤンに対して、...

中野雄 「丸山眞男 音楽の対話」 の読書感想。

中野雄 「丸山眞男 音楽の対話」 文春新書読むまでは、正直、億劫でした。まず、丸山眞男、だれ?東大OBや学問の世界からしたら、無知すぎるんでしょうけど、私は、丸山眞男さんを知りませんでした。ちなみに、彼のプロフィールを少々。1914年生まれ。1950年東大法学部教授就任だが、専門は日本思想史。1971年、東大を早期退職したが、名誉教授として活躍し続け、1996年永眠。本書は、丸山眞男を敬愛する弟子による恩師礼賛本。...

安田寛・中川右介 「ショスタコーヴィチ評盤記」  の読書感想。

安田寛・中川右介 「ショスタコーヴィチ評盤記」 アルファベータ2005~6年、雑誌「クラシック・ジャーナル」誌で連載された。ショスタコーヴィチの新発・再発されたCD・DVDをほとんど網羅して、聴き尽くし、語り尽くします。私も高校時代から、ショスタキストのタコヴィチアンとして絶え間なく聴き続けてきましたが、著者の安田氏は相当なツワモノです。彼のコンドラシン盤評価は、私とは違うのが残念ですが、これだけ聴き込ん...

小松潔 「カラヤンと日本人」  の読書感想。

小松潔 「カラヤンと日本人」 日経プレミアシリーズ日本もしくは日本人と関わる指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンの話が、これでもか、これでもかっ!と詰め込まれた一冊。著者は1958年生まれの日経新聞の記者。日経新聞を読んでる人は感じるだろうけど、日経はクラシック音楽の押しが凄い。海外オケの招聘に関わっていて、ウィーンやイタリアなどのオペラ引越し公演などを引っ張ってきては、記事にしている。演目は相も変らぬ...

服部公一 「クラシックの散歩道」 の読書感想。

服部公一 「クラシックの散歩道」 潮文庫作曲家ハットリと言えば服部良一であるが、本書は別の作曲家・服部公一の著。ウィキで調べても、目覚しい誰もが知っている作品を書いているわけではない。大学院教授などを経て安定した作曲活動、主に合唱や校歌社歌、児童向け音楽中心に書いてきた人。著作物が多く、アマゾンで検索したら十冊以上出て来る。講談社現代新書から「作曲入門」なんて面白そうな本も出しており、いつの日か見...

鈴木淳史 「萌えるクラシック」 の読書感想。

鈴木淳史  「萌えるクラシック」  洋泉社新書言ってることはなかなか良いのだが、文章がイヤ。著者が36歳の時、初版されており、若書きと言えるかな。吉田秀和みたいな文は望むべくもないが、崩しすぎた文章は、好き嫌いが分かれるだろう。そんな訳で、著者の本はもう買わないだろうが、彼のオシメンには、そこそこ関心を持った。クラシック・ファンは、えてして若き頃、何に熱中したかによって、その一生を左右している。私は...

許光俊 「オレのクラシック」 の読書感想。

許光俊  「オレのクラシック」  青弓社長い間、探し続けていた、古本で。許さんの2005年初版の本だが、出た当初から古本屋でチェックし続け、ようやく巡り合えた。新品で買えば話は早いのだが、1,600円というのは高過ぎるし、読んだ現在、やっぱ古本で良かったと思った。もともと放言毒舌な人だが、その健啖ぶりは相変わらず。数多くの著書で言いたい基本事項は、言い尽くされているので、本書は最近(2005年まで)の感想が中...

林光 「日本オペラの夢」 の読書感想。

林光  「日本オペラの夢」  岩波新書芥川也寸志なり、小澤征爾なり、指揮者や音楽家の文章は、意外と面白い。彼らは学者でなく藝術家、もっと端的に言えば芸人であり、どうすれば人が喜ぶか、人を喜ばせられるか体の芯で知っている。いな、人を喜ばせたいという潜在意識があるのだろう。文章で喰っている訳ではないのに、かなり面白いのだ。まだあまり読んでいないので、断言できないが、團伊玖磨や、岩城宏之の音楽エッセイが...

宮下誠  「カラヤンがクラシックを殺した」  の読書感想。

宮下誠  「カラヤンがクラシックを殺した」  光文社新書題名に、著者の思いが籠められている、それが全て。クラシック音楽界とレコードCDを詰まらなくさせてしまった最大要因はカラヤンであり、彼をギュウギュウに締め上げる事に徹している。一方、大好きなクレンペラーとケーゲルの音楽に各一章を割き、対比させる事で均整を取ろうとしているが、既に結論は決まっているので鼻白んでしまう。ちなみに、私もケーゲル旋風を浴...

中川右介  「カラヤンとフルトヴェングラー 」  の読書感想。

中川右介  「カラヤンとフルトヴェングラー 」  幻冬社新書クラシックに何の興味も無い人でも、カラヤンとかフルトヴェングラーという指揮者の名前は聞いた事があるでしょう?私は15の時からクラシック一直線。だけどフルトヴェングラー(以下フルヴェン)だけは避けてるんです。自分に与える影響が大き過ぎそうで、フルヴェン・ファンの多くはガチガチの信者みたいになっちまって、世界の多くを見ようとしなくなっているかの...

金聖響  「ロマン派の交響曲」  の読書感想。

  金聖響  「ロマン派の交響曲」   講談社現代新書金聖響と玉木正之の共著、になっている。ロマン派の作曲についてレクチャーしている本文は金の著述であり、このレクチャーが本書全体の七割ほどを占めるのですが、前後や合間に配した玉木正之との対談が意外と良い。前作「ベートーヴェンの交響曲」の時は玉木が小判鮫のような気がしたが、本書ではクラシックに対する本心を堂々と開陳しており、金より玉木の方がズバズバ言...

西原稔  「クラシック名曲を生んだ恋物語」  の読書感想。

  西原稔  「クラシック名曲を生んだ恋物語」   講談社+α新書  著者は桐朋学園大学教授という、大学の先生によるクラシック本。大体こういうものは堅くって生真面目なのだが、予想を大いに覆して面白かった。そもそも芸術家、アーチストという人々は八方破りな人生を歩んだ人が多い。天才と云われる人ほど非常識で、自分の関心事に全力投球してしまう。作曲には勿論の事、恋愛にだって向こう見ずな、熱烈な行動をしてし...

吉田秀和  「音楽」3  の読書感想。

  吉田秀和  「音楽」3   朝日文庫1970~80年代に、朝日新聞に掲載された吉田氏の芸術批評。本書はその最終巻、78~81年の音楽展望と音楽会批評が約四百ページにわたって掲載されている。初期(第1巻)中期(第2巻)までは音楽中心で、そのほとんどがクラシック音楽についてで満足だったが、後期(本書第3巻)では芸術全般に範囲を広げて語られている。町並で聞こえた三味線の情緒とか、狂言鑑賞とかいったエピソードも...

金聖響  「ベートーヴェンの交響曲」  の読書感想。

  金聖響  「ベートーヴェンの交響曲」   講談社現代新書本書は金聖響と玉木正之の共著となっていますが、玉木氏が登場するのは冒頭と結部の対談、それに前書きだけで、全体からすれば一割にも満たないかと思います。本文はベートーヴェン全九曲を一章づつ採り上げている金氏の文章のみです。事実上、金氏のベートーヴェン交響曲論ともいえる、非常に興味深い本。クラシック・ファンなら、ベートーヴェンは避けては通れない...

二ノ宮知子  「のだめカンタービレ」22  の読書感想。

  二ノ宮知子  「のだめカンタービレ」22  講談社KISS のだめ作品に出会い、その面白さに狂喜し、過去の全作品まで漁って読破してきた。のだめ作品はドラマ化、アニメ化、映画化と隆盛を極め、もうすっかり大成功。後はいかに、このモンスター作品を見事クライマックスに持ってゆけるか。本書第22巻では、まさにクライマックスへの匂いをプンプンと撒き散らしながら、それでいてのだめ衝撃的デビュー・イン・ロンドン!も...

中野雄  「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」  の読書感想。

  中野雄  「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」  文春新書センターラインを堂々と生きてきた人の音楽嗜好、ってな感じ、コテコテのウィーン・フィル賛美。東大法学部卒、銀行を経てオーディオメーカー、レコード事業の役員に連なり、音楽プロでユーサーとして活躍。野球は巨人を応援してた方が面白いし、オリンピックやワールドカップもやっぱ優勝者が好き。だってだって、ナンバーワンが一番良い筈だもん。著者はきっとそ...

吉田秀和  「世界の指揮者」  の読書感想。

    吉田秀和  「世界の指揮者」  ちくま文庫、新潮文庫クラシック批評界の大御所、吉田秀和氏の代表作。新潮文庫が原書とも云うべきもので、ヴァルター(ワルター)から始まり、セル、ライナー、デ・サーバタ、クリュイタンス、クレンペラー、ベーム、バーンスタイン、ムラヴィンスキー、トスカニーニ、ブッシュ、マゼール、モントゥー、ショルティ、クラウス、ブーレーズ、ミュンシュ、フルトヴェングラー、ジュリーニ、...

清水多吉  「ヴァーグナー家の人々」  の読書感想。

清水多吉  「ヴァーグナー家の人々」   中公新書副題「30年代バイロイトとナチズム」クラシック・ファンからしてみたら、本書の核心部分である「バイロイト音楽祭史」とした方が適格だし、ヲタクなら手が伸びる題名だったのではないか?楽匠ワーグナー(本書ではヴァーグナーですが、一般的に呼ばれているワーグナーで私は書きます)自体の伝記で無く、その伴侶コージマ(フランツ・リストの娘)でもなく、ワーグナーの死後、...

岡田暁生  「オペラの運命」  の読書感想。

岡田暁生  「オペラの運命」   中公新書オペラそのものについても十分語っているが、劇場や歌劇場の空間や変遷についても力点を置いて語っているのが特徴。バロック・オペラから始まり、モーツァルト(オペラ・ブッファ)、グランド・オペラ、国民オペラ、ワーグナーと、大きくポイントを絞って変遷を語っている。冒頭のバロック・オペラは王侯諸侯の贅沢趣味の一環だった背景が語られてゆくが、このあたりは学者風、小難しく...
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