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白石一文  『不自由な心』 の読書感想。

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白石一文  『不自由な心』

白石一文  『不自由な心』  角川文庫

今年上半期読んだ作品の中で、最高に感動したのが本書。
  
歴史小説家として名高い「白石一郎」氏の長男という、
不純な好奇心で本書に手を出した。
「親っさんはいい物書きだったけど、あんさんはどやろなぁ?」
なんて高をくくって読み始めたんですが、
おっそろしいほどの強烈才能です。
  
5つの中短編からなる本書ですが、著者が仰るように最初から順に読んで行きます。
各編の関連性は無いんですが、全作共通しているのは「不倫」。
なんだぁ、「不倫小説」かぁ、渡辺淳一みたいなの?
 
いえいえ!全然!次元が違います!
 
そのどれもが、釘付けになるほどの面白さなんですが、
圧巻なのが後半三篇(ほとんどやないですか...)。
「夢の空」は死を目前にして初めて最も突き進まなければならない道を
見出す主人公。
その電話を受け取った女性が、TV報道で知る驚愕の結末。
「いやだー!」と絶叫するラストは凄まじい雪崩れ込むような結末です。
  
  
癌を知り、余命半年を宣告された男の末路を描く作品が、「水の年輪」。
 
お金を持っていないとここまでしたい放題な余生は送れませんが、
かつての愛人のもとを尋ねるシーンや、ビルから身を投げるラストは
全身鳥肌が立ちました。
ちょうどBGMにマタイ受難曲を聴いていたからでしょうか。
凄絶な感慨に浸りました。
 
そして最後がタイトルロールの「不自由な心」。
中盤までは、それほでもないなぁと思っていたのですが、
後半の主人公と妹婿の対決シーンから俄然ヒートアップします。
  
不幸な人は、周りの人にも不幸を求める。
不幸は不幸を周りにも押し付けようとする。
 
どの作品もそうですが、著者の思想や哲学がガンガン入っていて、
それでいて曲折に富んだストーリーにしっかりと食い込んでいて、
私をグイグイと引きずり込んでくれました。

白石一文をまだ読んでいない人、これは勿体無い!


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