バイトの労働条件

松本清張  『ミステリーの系譜』  の読書感想。

松本清張  『ミステリーの系譜』  中公文庫

松本清張  『ミステリーの系譜』  中公文庫

※2007年5月に書いたモノです。

最近アメリカで起こった「バージニア工科大学銃乱射事件」、
あのニュースを観て思い出した人もいたのではないだろうか?
日本でも昭和初期、「津山三十人殺し事件」があったことを。
  
乱読第173冊 筑波昭「津山三十人殺し」 読書感想
http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/doku9/doku173.html

どちらの事件も、狭い世界でのトラブルと被害妄想が
こんがらがって最悪の結末に至った事件だ。

上記のように筑波昭のルポルタージュを読んでいたので
松本清張が同様の事件を採り上げていたのには驚いたが、
こちらの作品は百ページ程の中篇。

犯人の生い立ちから事件の過程、犯罪心理や世相全体に渡るまで
清張ならでは冷徹な眼で語られている。

岡山県津山のさらに片田舎の貧村、
22才の青年が近隣の無理解と病苦を逆恨みしての大犯罪だが、
祖母に我が侭に育てられ、進路の挫折と肺病への恐怖、
親愛する姉の結婚や、近隣女性との放逸な性惰から絡み合って
犯人は村民全体への復讐を募らせてゆく。

ここらへんの過程はまったく酷いもので、作家もなんとか
逆恨みの思考経路に道筋を付けてやろうと努力の後が伺われるが、
何でも人のせいにする人間独特の汚らしい特徴が浮かび上がってくるばかりだ。

バージニアと津山では、それぞれ詳細には事情も経緯も違うのだろうが、
大量殺人を犯してしまう犯罪心理・過程を知るには、
本書や筑波昭のルポは合う。

本書は他にも「肉鍋を食う女」「二人の真犯人」を併録。
「二人の真犯人」は駄作だが、「肉鍋を食う女」は悲惨な実録だ。
「肉鍋」の肉、あなたがサッとご想像した通りの肉です。


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