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広瀬正  『マイナス・ゼロ』  の読書感想。

広瀬正  『マイナス・ゼロ』  集英社文庫

広瀬正  『マイナス・ゼロ』  集英社文庫


かつて丸谷才一編集による「私の選んだ文庫ベスト3」という本を読んだ。

各界本好きな著名人に、これがベスト3だという入手可能な文庫本3冊を
選んで貰うという趣向。

  丸谷才一編  『私の選んだ文庫ベスト3』  ハヤカワ文庫
  http://www16.tok2.com/home/randokudt/doku8/doku158.html
  
この本の良かった点は、各人の本音が垣間見れた点。

一冊は自分の仕事を決定付けた一冊、一冊は何らかの思惑(業界内の付き
会いだとか義理だとか)から選んでるんだろうなぁと言う一冊、そして
最後が、結局その人が潜在的に最も好きな一冊。

えてして三冊目に本音が漏れてたように思う。
そんな中で、これは面白いんじゃないかと感づいたのがこの一冊。
広瀬正の「マイナス・ゼロ」だ。

正直それまで作者も著作も全然知らなかった。
戦後のSF勃興期に活躍した人で、これからという時に急逝。
本書は直木賞候補にもなっていたそうだから、長生きしていたらメジャー
どころか、星新一・筒井康隆・小松左京なみの大御所に間違いなく成れた人。
夢中になれた名作だ。

解説を星新一が書いている程で、業界ではかなり実力が認められていたのが判る。
それではあらすじを、ちょろっと述べてみよう。

空襲激しい戦争末期の東京。
中学生の主人公は母と二人暮らしで、隣の大学の先生を父に持つ
お嬢さんに憧れている。
そんな戦争モノを勘違いさせる冒頭だが、焼夷弾が近辺に降ってきて隣家が危機に。

少年が急いで助けに向かうと、大学の先生が倒れている。
先生は死の間際、少年に重大な遺言を託す。

時は経って戦後も高度成長期。
少年は若くして成長目覚しい電気会社の部長となっている。
彼は先生の遺言を実行する時がようやく至り、半信半疑であの先生の
旧宅に向かう...。

このあとタイムマシンが出てきて、どうにも止まらない面白い展開が
連続するんだが、感心しまくるのは戦前の情景描写。
昭和初期の風俗や情景が目の前に広がってくるようで、
SFとは思えない情感たっぷりな美文。
SFが見事に日本を取り込んだわけで、これは星新一も絶賛してやまない。


集英社文庫は複数冊彼の作品を出していたので、これからは
広瀬正収集がしばらく続きそうだ。
なかなか簡単には見つかりそうもないので、一層私の収集癖をくすぐっている。


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