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角田光代  「だれかのいとしいひと」  の読書感想。

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角田光代  「だれかのいとしいひと」  文春文庫

角田光代  「だれかのいとしいひと」  文春文庫


二十数ページからなる短篇8編からなる全212ページ。
大方は恋愛がうまくいかない女性を描いた、本音モノ、かつ、暗い。
とは云え、「誕生日休暇」のように、少し小説過ぎるベタな展開も
あるのにゾワゾワと感動してしまう、という感動ものもあり。

表題作「だれかのいとしいひと」は、冷め切った若いカップルの話。
若いカップルだからって、恋愛燃え上がりまくりってのがいつまでも
続くばかりでも無く、この短編の二人のように惰性で辛うじて続いている
二人もある。

そんな間が持たない二人の間に、おちゃめな小学生の姪っ子が
おしゃまに入ってデートが演じられる。
姪っ子にとっては、彼氏が素敵なお兄さんに見えるのだろう。
ヒロインの父の愛人話を昔話として織り交ぜつつ、
現実のカップルとのデートが進む。

本編でもっとも小説らしい憎い話ながらも上手いねぇと
思ってしまうのが「誕生日休暇」。
ヒロインの会社は「誕生日休暇」なるものがあり、
彼女の誕生日は祝日や休日とうまく連携し長期休暇となってしまう。
周りの同僚や先輩は彼女の休暇を有意義にしてあげようと、
あの手この手で話はどんどん大きくなってゆく。
この辺までストーリーは実際にもありがちで、とうとうハワイの
小さな島まで行く流れは先の展開が不安で堪らない。
だって、どうせアクシデントが起こるに決まってんだもん。

著者は運命や宿命にすごく捕らわれている。
人間は一人一人がバスに乗っているようなもので、一緒に乗り合わせて
同一方向に向かっている期間が結婚、片方がバスを降り別のバスに乗るのが離婚。

バス停でブラブラ待つ事もあれば、同じバスに乗り合わせているのに
会話もしない事だってある。
著者のたとえは面白い。

ハワイの小島の小さなバーでヒロインは男性と知り合う。
明日結婚を迎える男性の偶然の連続の話はちょっと出来すぎで、
人生そんな話なんて滅多にないよと突っ込みつつ、明日の結婚式には、
男性の偶然の結末に立ち会う意味でも出席してみようと前向きになる
ヒロインの心の変化にゾクっとする。
偶然に次ぐ偶然で結婚にまで至った、見知らぬ男の結婚式。
そんな男の結婚式に、偶然出席するヒロインに、偶然のお裾分けが
あるようで、読後感は良かった。


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