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海音寺潮五郎 「新太閤記」(全4巻) の読書感想。

海音寺潮五郎
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たまには骨のある歴史長編でも読みたいなと思い、手に取ってみたら、
約一ヵ月も読破に時間が掛かってしまった。
でも面白かったんですよ、時間は掛かったけど。

海音寺作品は今でも時折文春文庫からリニューアル復刊されており、
それだけ読み易く、面白く、かつ骨のある本格派歴史エンターテインメントだ。
海音寺より更に好きな南條範夫作品がリニューアル復刊されないのは
不満だが、両者の違いはそこら辺にあるのかもしれない。

歴史小説はやはり読み易さや面白さは必須だけど、
骨があるとロングセラーになるだろう。
私は南條作品も骨があると思うんだけど・・・。

言わずと知れた太閤秀吉の生涯を綴っている。
名古屋中村の田畑で農作業をしている青年期秀吉から物語はスタート。
単なる農家の子倅がいかにして織田家家中に取り入っていくかを丹念に描く第1巻。

下っ端から徐々に侍に昇格してゆく過程やエピソード、一大クライマックスの
本能寺の変後の秀吉の大回転、そして天下統一の大事業。

序盤中盤をしっかり描きこむ事により秀吉への愛着や共感が
存分に生じる構成になっており、かつ面白い。
天下制覇を成し遂げたのに、その後も大きな事をやり続けなければ
威信や尊敬を失ってゆくと考える秀吉は、破滅に向かってゆく朝鮮出兵、
関白秀次処刑とやることの多くが滅茶苦茶になってゆく。

最終巻での秀吉の末路は哀しすぎて、それまで天才で愛くるしく主人公が
描かれていただけに、著者の筆も駆け足になってしまう。

実際著者も本文で書いているとおり、秀吉は晩年に近づいて
耄碌してしまったのだ。晩節を汚す、老害とはまさにこのことで、
それが日本のトップだった事により、悲劇はあまりにも大きくなり過ぎてしまう。

むかし私はこう思ったものだ。
秀吉亡き後、あれほど秀吉が哀願したにもかかわらず、家康は天下を奪った。
それだけに留まらず家康は、最終的には秀吉の愛息秀頼まで滅ぼしてしまう。

なんて酷い話なんだ、と。
しかしこの秀吉の老年期の狂った行動をみてゆくことで、全国の大名が
どれほど苦しみ、秀吉の恩顧も憎悪に変わってしまったことか。

秀次を殺さなければ豊臣家は別の形で徳川家と対立できたろうし、
結局は秀次家と秀頼家の対決も生じたかもしれないが、
豊家完全滅亡とまではいかなかったのではないか。

そんな事まで推理させてくれるような、海音寺の言いたい事は伝わってきて、
実に面白い作品だと思う。


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