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赤瀬川原平 他編  「路上観察学入門」  の読書感想。

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赤瀬川原平 他編 「路上観察学入門」 ちくま文庫

赤瀬川原平 他編  「路上観察学入門」   ちくま文庫


ちくま文庫らしい一書。
赤瀬川原平他編とは、同氏のほか藤森照信、南伸坊の
3名で編集されているため。

更に本書は合計14名のライターからなる編集本であり、
様々なマニアたちが路上観察の極意を述べている。
ヘンな本。

街中にありふれた景色でも、路上観察を無上の喜びに
感じている人たちにしてみれば、そこはもうパラダイス。
奇妙な建物、珍しいマンホールは序の口で、解体されようとする建造物の
破片を収集している人もいれば、団地の風景や路上のゴミ缶をつぶさに調べたり。

一体それが何になるの?ではない。
それを観察する事そのものが楽しいらしいから、
そこを汲んであげなくちゃ読んでいられない。

正直ちょっと着いていけない世界ですし、面白そうだなとさへ
思えなかったので私には向いてない事が分かって、少し安心。

面白かったのは、南伸坊の学生時代のエピソード。
毎週自分でテーマを決めてレポートに纏め上げているのだが、
そもそもが趣味なので嬉々としてやっている。
或る週なんかは、川に流れている漂流物を観察レポートするというもの。

発泡スチロールとか化粧水の瓶などと暢気にメモしていくんですが、
三十項目目に「胎児」らしきものが流れてくるくだり。
大慌てで交番へ駆けつけ、お巡りさんとの押し問答は漫才みたい。
あくまで事務的に対処しようとするお巡りさんと、漂流物は
どんどん河口に流れて行ってしまう事を焦る著者の行き違いがおかしい。

もう一人、飯村昭彦「麻布谷町観察日記」が個人的には最も驚く。
この街が大開発されるってんで、街中の煙突に昇り
魚拓ならぬ煙拓を録ったり、煙突の天辺で記念写真を手放しで
何食わぬ顔して撮ってたりしてる事自体驚きなんですが、ラストが衝撃。

実はこの麻布谷町再開発、正式には赤坂六本木地区再開発計画地と
云いまして、赤坂のA、六本木のR、計画地のKを取って「ARK」。
今云うアークヒルズ(サントリーホールやテレ朝がある一帯)の
再開発前の観察日記だったって事がオチで分かる。

あのサントリーホールの再開発前が、あんな下町情緒溢れる、
煙突のある風景だったなんて。
読書って、こういう予想外の知識が身に付くから面白い。

本書には他に、荒俣宏や杉浦日向子なども寄稿している。



書いた日 : 2009年02月


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