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吉田秀和  「世界の指揮者」  の読書感想。

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吉田秀和  「世界の指揮者」  ちくま文庫    吉田秀和  「世界の指揮者」  新潮文庫

吉田秀和  「世界の指揮者」  ちくま文庫、新潮文庫


クラシック批評界の大御所、吉田秀和氏の代表作。

新潮文庫が原書とも云うべきもので、ヴァルター(ワルター)から始まり、
セル、ライナー、デ・サーバタ、クリュイタンス、クレンペラー、ベーム、
バーンスタイン、ムラヴィンスキー、トスカニーニ、ブッシュ、マゼール、
モントゥー、ショルティ、クラウス、ブーレーズ、ミュンシュ、
フルトヴェングラー、ジュリーニ、バルビローリ、クーベリック、ターリッヒ、
アンチェル、ロジェストヴェンスキー、フリッチャイ、アバド、カラヤンを
採り上げています。

新潮文庫はココまで。

上記のほとんどが今も愛好されている大指揮者たちですが、どうでしょう、
デ・サーバタやブッシュはマニアしか聴かないのではないでしょうか。
あれほど人気絶大だったベームは今や見る影も無いですし、
BPOを去ったアバドは安らかに活動しています。

わたし的にはモントゥーが意外と面白いと思ってますし、吉田氏の文章を
読んでいるとセルなんかもっともっと聴いてみたいと思わせてくれます。

ちくま文庫版では第2部「指揮者の風景」として、フルトヴェングラーの思い出、
ヴァルターのマーラー、カラヤンの死、セル、バーンスタインの死、ベームの死、
名匠ショルティ去る、ヴァント、バルシャイ、アバドと採り上げます。

この人はフルヴェンをナマで聴いてるんですね。
さすがの大批評家でもフルヴェン生体験は、どう伝えていいか
悩んでしまうほど良かったそうです。
意外なのはショルティを推していた事。
この人も今や、どんどん忘れ去られていっている指揮者。

第3部「指揮者とディスク」。
15枚のディスクが採り上げられていますが興味を惹いたのは、
チェリビダッケのフランス管弦楽作品集、クライバーのブラームス第2番、
シノーポリのマーラー第5番。
チェリは敢えてドイツものでなくフランスものについて語っている所が新鮮。

クライバーのブラ2は。マニアにとっては懐かしい話です。
シノーポリのマラ5は聴いた事が無いので、今後見つけ出したい一枚。
実際彼のシューマンや大地の歌は素晴らしいです。
シノーポリは今も生きていたら、きっと大マエストロに
伸し上がり始めていた事でしょう。

壮年期で亡くなってしまうと、ほんとに惜しいです。
ヒコックスもこれからっていう時に亡くなったんですが、シノーポリと
ヒコックスが八十歳くらいまで振ってたら、音楽界は変わった事でしょう。
コリン・デイヴィスも今の今まで健在だったから大きく変貌したのでしょうし、
ハイティンクなんかもこれからいよいよ熟成されるでしょうしね。

今回はちっとも読書感想になっていませんが、
クラシック好きには実に面白い一冊。

吉田氏の批評を肴に、そうだよな&そうかな&そうでもないんちゃうん?
とあれこれ考えながら読んでいくのは至福のひとときです。
文章が実に上手く、書いている事も筋が通っている。
だから今も氏の批評は必要とされ続けているのでしょう。


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Comment

  • nao
  • URL
ブッシュ?

クナッパーツブッシュしかしらないなぁ。
クナのワーグナーものは最高や思うけれど。
特に「パルジハル」なんか、凄かった。
クライバーはベトちゃんのものしか聴いてないなぁ。
バルビローリにいたっては、今のいままで、
ディーリアスのものしか聴いたことがない。
これではあきまへん。

吉田秀和のもので、音楽以外のエッセイ「ソロモンの歌」や、セザンヌについてのものは、また深い味わいがあってええんやけどなぁ。
このヒト、「フルヴェンをナマで聴いてる」のも凄いけど、
学生時代、中原中也からフランス語習ってた(家庭教師?)というのも凄いと思う。

  • 隊員
  • URL
パルジ大好き

中原中也と吉田秀和のフランス語師弟関係は有名だそうで、旧制成城高校時代に個人教授を受けていたそうです。吉田氏は開業医の息子として産まれ、相当恵まれた家産だったそうで、普通ならこの出生だけで私は嫌いになるのに、氏の文章はそれでも感心してしまう。純粋に大した批評だなと思う。

CD勃興期にクラシックを聴き始めたのですが、当時から一貫してモノクロは聴いてない。ゆえに、フルヴェンとかクナも聴かずじまい。音質悪けりゃ判別不能だろうという思い半分、パンドラの箱を開けたら名演の森に彷徨ってしまう恐さ半分。いつの日か、モノクロが完全ステレオ化とかされたら聴いてみたいです。
それにつけても、パルジファルは凄い音楽ですよね♪

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