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西原稔  「クラシック名曲を生んだ恋物語」  の読書感想。

クラシック音楽な本
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西原稔  「クラシック名曲を生んだ恋物語」   講談社+α新書



西原稔  「クラシック名曲を生んだ恋物語」   講談社+α新書
  

著者は桐朋学園大学教授という、大学の先生によるクラシック本。
大体こういうものは堅くって生真面目なのだが、
予想を大いに覆して面白かった。

そもそも芸術家、アーチストという人々は八方破りな人生を
歩んだ人が多い。天才と云われる人ほど非常識で、自分の関心事に
全力投球してしまう。作曲には勿論の事、恋愛にだって向こう見ずな、
熱烈な行動をしてしまったわけだ。

本書では実に多くの作曲家を採り上げている。
第1章では「悲恋」をモチーフとし、ベートーヴェン、ショパン、
ブラームス、チャイコフスキー、サン=サーンスといった、
作曲家の悲恋物語の常連が登場。

サン=サーンスの母の束縛愛は知らなかったし、
チャイコフスキーの同性愛問題ははっきりと解釈を
打ち出して述べており、これは読み応えあり。

なぜかチャイコの同性愛問題はタブー視されていて、
彼の疑惑をぼかして書いている著述が多いのだが、
名誉法廷にまで踏み込んで書いてあったのには満足した。

第2章は「夫婦愛と不倫」がターゲット。
ハイドン、ベルリオーズ、ドビュッシー、ヤナーチェク、
マーラー、ベルクが挙げられている。

二人も女性を自殺未遂まで追い込んだドビュッシーの放蕩を読むと、
今後の彼の音楽の聴き方そののが変わってくるだろうし、
ヤナーチェクやベルクの恋愛奇譚まで書かれている書物は少ない。

第3章は「妻を愛した男達」。
モーツァルト、ウェーバー、シューマン、メンデルスゾーン、
シュトラウス2世、エルガー、ドォルザーク、R・シュトラウス、
プロコフィエフと珍しい作曲家まで網羅。

人口に膾炙されたモーツァルトも初耳の話が載っているし、
R・シュトラウスの猛妻ぶりは爆笑モノ。
「女性の言葉としてこれ以上は考えられないほど最低の、無知で、ぞんざいで、
軽率な言葉を山ほど吐き」(詩人デーメルの未亡人イーダによる言葉)、
彼女の夫の扱い方は「手綱を緩めないことだ」と言って、
馬の手綱を操る仕草をし、もう一方の手で鞭を当てる真似をした」
(以上、本文より抜粋)そうだ。

そうとう気が強かったんだろうが、話せば面白そうなひとにも思える。
茶目っ気たっぷりなところに、リヒャルトは惚れ込んだんだろうし、
彼自身ふところの大きな男ったんだろう。

いずれにしろ、女性を二人も自殺未遂に追い込んでしまったドビュッシー
とは大きく違う。私の大好きなプロコフィエフは2回も結婚しているが、
2度目の女性が随分美しいのに驚く。
しかも歳の差、25歳。

第4章は「奔放な愛とその遍歴」。
パガニーニ、リスト、ビゼー、ヴァーグナー、プッチーニ、ガーシュイン
が登場。パガニーニ、リスト、ヴァーグナーあたりは知っている人も
多いだろうが、こうやって改めて読むと、もう滅茶苦茶。

リストの愛の果ての娘が、ヴァーグナーの後妻に続いてゆくなんて、
大河ドラマみたいで現実は小説よりも奇なり。

プッチーニの奥さんの病的な嫉妬心は、夫を介抱した女性を抗議に
自決に追い込むなど後味が悪い。恋愛は自由だけれど、最後に誰かを
傷つけたり悲しませたりしたらダメだよ。

美しい想い出に変えてしまう男もいれば、最後の最後は修羅場に
してしまう男もおり、恋愛のあらゆるパターンが描かれているようで、
実に面白い。

クラシックとか、作曲家なんて大昔の話と思うでしょうけど、
本書はかなり面白く出来上がっている。


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