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藤沢周平  「龍を見た男」  の読書感想。

藤沢周平
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藤沢周平 「龍を見た男」 新潮文庫


藤沢周平  「龍を見た男」   新潮文庫


1983年(著者56歳)、初版。
9編からなる短編集、うち8編が町人ものだが、「切腹」だけが武家もの。

アマゾン批評を確認したら「星4つ」が多いけど、藤沢作品としては中の下。
一編一編はそこそこ読ませるが、どんどん次が読みたい、という程の
面白さでもない。

藤沢作品はほとんどが素晴らしいし、本書だって十分素晴らしいが、
彼の作品ベストテンを挙げようとなったら、まず本書は挙がってこないのでは
ないか。藤沢作品は誰もが賞賛するばかりだから、敢えて言いたかった。

表題作「龍を見た男」は漁師もの。
天に昇る龍のように見えた火柱のおかげで、遭難した海中の漁師が
奇跡の遭難が出来るという話。これが正直、あまり面白くない。

「帰って来た女」は、なんとも殺伐とした作品であり、
藤沢作品としては哀しい話。

当然ラストは救いのある人情味と明るい未来でホロリとさせられるんだが、
駆け落ちした妹がもう昔の妹ではなくなっており、ぼろぼろになってしまった。

どんなにぼろぼろになっても、人には未来がある事を著者は
書いているんだろうが、素直に納得は出来ない。

こうやって続けてしまうと詰まらない作品集の感想になってしまったが、
実際はそうでもない。本書で特徴的なのは、終わり方が哀しく渋いこと。

ハッピーエンドも多いし、じわりと渋みがかかっている。
一度失敗した人生はそうそう反転しませんよ、
といった著者の人生観も伝わってくる。

ただ、そこが昇華し尽せた作品にまでは至っておらず、
こういった土台があってこそ、後期の名作が産まれていくんだろう。


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