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杉本章子  「写楽まぼろし」  の読書感想。

杉本章子
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杉本章子  「写楽まぼろし」  文春文庫


杉本章子  「写楽まぼろし」  文春文庫


田沼意次から松平定信にかけての江戸期。
地本問屋(出版社)として新商法の限りを尽くして、
当時席巻した蔦屋重三郎が本編の主人公。

当時の人気俳優中村仲蔵の援助を得て、絵草子屋を
吉原大門の前で開いた先見の明。

開業したはいいけど、普通の絵草子だけ売ってても
酔客や遊び人が店を冷やかすだけ。
蔦屋が目論んでいたのは、ここで吉原細見、
今で言う遊女の情報雑誌を売れば当たるというアイデア。

吉原細見は既存店で販売されていたが、吉原とは
関係の無い他所の大店やその系列店ばかり。

吉原の出入口で売れば売上倍増となるのに、誰も気付いてなかった。
野球場の出入口付近で、選手グッズを売ればいいのと同じ手法だ。
得てしてヒット商品というのは、誰かが成功した後で

「考えてみれば当たり前の事だった」

と誰もが納得することが多いが、これが意外と難しい。
蔦屋は他に、次回予告を巻末に載せることも始めている。

この蔦屋が本当に凄いのは、無名の新人を発掘するプロデュース・パワー。
あの歌麿や写楽を世に送り出したのが、この蔦屋なのだ。
本書では他にも、恋川春町、大田南畝、平賀源内、山東京伝といった
天明期の芸術家が生き生きと描かれる。

源内や南畝が作中で描かれているとおりの人だったら幻滅だが、
著者なりに調べ上げた挙句なんだろうから、近からずとも遠からずやなのか。

終盤で写楽の謎が明らかになる流れがゾクゾクする。
それまでの小さなエピソードや、差して気にならない小さな疑問が
一気に関連付いて行って
「なるほど、そう考えれば、そういった可能性もあるわな」
と思わせる。

まさに著者の術中に嵌っていく瞬間、読書の醍醐味が堪能できる。

時代物が好き、でも武家ものや人情噺でもなく、
江戸期の芸術家に光を当てた、少し変わったものが読みたい。
そんな本に出会いたい人は、これはピッタリです。
杉本章子、本当に才能がある。



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