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福田千鶴  「御家騒動」  の読書感想。

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福田千鶴  「御家騒動」 中公新書


福田千鶴  「御家騒動」 中公新書


「改易」「お家断絶」「加増減俸」といった、江戸期の大名浮沈話が大好き。

現代サラリーマンだったら、転勤とか昇格左遷、リストラ解雇なんかもあるが、
江戸期の大名は一藩数百人の家臣とその家族郎党全員が大きく左右されてしまう。
その栄枯盛衰を想像してしまうと、面白がってはいけないんだが、たまらない。

そもそも戦国期の武将武士は当人が戦い、自力で領土を広げたり固守した。
だから何百何千何万石と保有しても、それは自分の力なんだから、問題ない。
ところが、その子孫。

あの有名武将の末裔達は、数代前のご先祖様のお蔭で、
代々武士として威張りくさり、たいした仕事もしてないのに
屋敷に住み安泰な日々を送れる。

そりゃ貧乏下級武士もたくさん居たでしょうが、
飢饉旱魃などで飢え死にしたり身売りしたりする庶民と比べると雲泥の差だ。

現代において社長の子が社長になる事は多いが、専務(家老)の子も専務(家老)、
部長(番頭)の子も部長(番頭)、課長(奉行)の子も課長(奉行)
なんて事が何代も続いたわけである。よくまぁ、二百年以上も我慢できたもんだ。

そんな武士たちが、お家衰退によってある日から浪人になってしまう。
江戸初期は再就職も可能だったろうが、大名取り潰しも嵩んで、
職が少なくなって以降は再仕官も難しくなってゆく。

そんな彼らを想像すると、ゾクゾクしませんか?
家が潰れたり、追い出された浪人一家はどうして生きて行ったんだろう?
そもそも、そんな安逸な身分だったのに、どうして失くしてしまったんだろう?
その先には「御家騒動」という馬鹿げた内輪もめが大いに関している。
人間贅沢に慣れると、今の生活は当たり前で、もっと幸せになろうと画策する。

たとえば若殿が急死したとする。
若殿と正室の間には児はまだ無く、下女に手をつけた七歳の幼君しかいない。
しかもその児は病弱で、大事に育てられたから我侭なうえに学問も嫌い
ときている。

下女は身分低い娘で、たまたま若殿が間違いを起こしたことで、
男児が出来てしまった。

一方、若殿の父は偉大な先代君主で誰もが名君と崇める立派な武将だった。
先代には優秀な弟がおり、性格はひねくれているが、悪知恵は溢れてる。
近隣大名や将軍の覚えも目出度く、年齢も四十代、バリバリと精力的に
動いている。

藩はここ数年凶作が続き、藩庫もカラッポ、
借上げ米で騙し騙し凌いでいる。

御家騒動というのは一個一個読んで見ると、
なるほどそりゃそうなることもありえるな、という事が多い。

今書いたような状況で、どちらを跡継ぎにすべきか藩内で紛糾したら、
あなたはどちらにつきますか?

こういった場合、一子相伝とばかりに七歳幼君に付いた方が正義派で、
四十代の伯父につけば奸悪邪臣派と見られる。

しかし「藩」を大切に考えれば、即時藩政を切り盛りできる後継者を
立てる方が重要で、伯父だって先代名君の弟なのだ。

これが家臣の息子となると話が違う。
例えば、現君主に妹がおり、紆余曲折あって家老の息子と結婚した。
こういった場合、家老といっても君主の同族だったり、
数代前に二人の間には優秀な息子が生まれた。

この息子は先代からみれば外孫、現君主にとっても甥っ子になるわけだ。
江戸初期はこういった分からないでもないケースもあり、
当時の人たちの動揺を想像すると楽しい。

本書では学問的に御家騒動をケース的に分別し、
「主君廃立型」「従臣排除型」「主君選別型」などに分けて検証してゆく。

著者は中公新書で出せれた事を喜んでおり、
私も歴史系新書なら中公が一番だと思う。

執筆当時東京都立大の助教授だったが、都立大は御家騒動が起こり、
文学もいらないと改革が起こったようで、
今は九州産業大学国際文化学部教授に落ち着かれたようだ。

たしかに御家騒動を研究して東京都が儲かるのか?
と言う人もおろうが、こういった事を面白いよねと思っている人もいる。
学生時代、先生の講義が母校であったらきっと選択したろうな。


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