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日下公人+三野正洋 「いまゼロ戦の読み方」 の読書感想。

三野正洋
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日下公人+三野正洋 「いまゼロ戦の読み方」 ワック出版部

日下公人+三野正洋 「いまゼロ戦の読み方」 ワック出版部


アマチュアとプロフェッショナルの差が痛々しい一冊。
二人の共著という体裁なので、対談形式かと思いきや、
それぞれ別々に執筆した模様。

文書交換して書き綴ったようでもなく、各々が各章、
一つのお題の中で思う事を綴っていく。

それだけに双方の基礎知識が歴然となり、
逆に基礎知識だけで評価せず読めば、
日下さんのご高説もそれなりに拝読できる。

日下は有名な評論家でありゼロ戦のアマチュアおたくであり、
三野はガチガチの研究者であり、それで喰っているようなレベルだから
そもそも両者を一冊に封じ込めた編集者の悪意を感じる。

最近ゼロ戦や新鋭機開発の本を読んで思うに、
結局優れたプロペラ機を造るには、エンジンが最重要だったのだ。

エンジンがよりコンパクトで馬力があればあるほど、
航空機の性能は上がり、様々なオプションが付加できる。

たとえば、攻撃力を増すために二十ミリ機銃を増やしたいとする。
しかし機銃を増やせば弾数も増やしたくなり、
それは燃料スペースの減少に繋がる。

そこで機体を大きくしたくなるが、大きくすると
流体力学が悪化し機体も重くなる。

大きくすると旋回性能や急上昇能力が悪化するので、
エンジンへ更なる性能アップを求めてしまう。

ゼロ戦はそんな「限られたエンジン性能」から最大限の性能を
引き出せてしまった奇跡の機体だった。

とにかくコンパクトかつ計量を最善とし、
速度・上昇力・航続距離どれを取っても
文句なしの数字を叩き出した。

ところが軽いというのは装甲の薄さの裏返しで、
防御力が無いも同然だった。

敵機に打たれれば、すぐに穴だらけとなり墜落した。
日本軍部は当初こそ人命を軽んじていたが、
戦局の悪化とともにパイロットの養成がどれほど
時間と労力が掛かるか解ってくる。

いくら優れた新機種を開発しても、
ひよっこパイロットでは性能を十全に引き出せない。

アムロがマニュアル片手にガンダムを操縦できるなんて、
あんなのはアニメの世界なのだ。

本書ではハード面、ソフト面、システムから戦略まで多面的に
ゼロ戦とその開発を考察しており、かつ冒頭でも言った様に
プロ研究家だけではない大いなるアマチュア愛好家からの視点も
考察が並行されているのが「ある意味」面白い。



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