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三野正洋 「坂井三郎と零戦」 の読書感想。

三野正洋
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三野正洋 「坂井三郎と零戦」 PHP新書

三野正洋 「坂井三郎と零戦」 PHP新書


二百五十ページほどで新書としてはそこそこの厚さだが、
三野さんにしては、奥がない。

坂井三郎と飛行機が、大好きなことは強く伝わり、
構成もなかなかいいのに、読後満足感が弱いのは何でかなぁ。

全十三章のうち、坂井三郎についてが六章。
零戦についてが六章、零戦機関銃が一章だ。

坂井三郎の生い立ちから戦歴や戦果、それに対して不当すぎた昇進の遅さ。
この辺の海軍のエリート以外の悲惨さについては、三野氏の舌鋒素晴らしい。

坂井三郎を書こうとすれば零戦を外せず、零戦の勇姿を描けば坂井が出て来る。

だったら、両者を描こうとしたのが本書なわけだが、
どっちつかずの配分に、なったような気がする。

書名に「零戦」を入れることで、若い読者に「坂井三郎」だけでは
ピンと来ないゾーンまで訴求したかったんだろうが、
掘り下げと三野氏の博識を生かすなら、坂井三郎徹底研究を
全面に推し進め、自然と零戦が浮かび上がれば良かったのではないか。

第7章「坂井三郎の凄さ」などは、9つのエピソードから光をあて、
面白い話が、ふんだんに散りばめられている。




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