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海音寺潮五郎 「平将門」全3冊 の読書感想。

海音寺潮五郎
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海音寺潮五郎 「平将門」全3冊 新潮文庫


各巻六百ページ余で全3冊、総計18百ページ超。
一般的な3百ページの文庫なら、全6巻となる大長編だ。

そうだね、ここ数年で読んだ歴史小説で、本書は最高だった。

平将門といえば平安中期、関東で反乱を起こし、
自ら新皇と名乗った無茶な人。いよいよこれから
という時に流れ矢に当たって討ち死。

死後怨霊となって恐れられた。その程度の知識しかなかった。

本書の何が、そんなに面白いのか。
まず、余り知らなかった平安中期の地方豪族の暮らし、
彼らが京に上って猟官運動する生活、藤原氏専制政治の
傲慢横暴と、民の苦しみ。

地方は地方で、国司たちが地方赴任して、搾取の上に
自分の荘園作り。富める者と掠め取られる者の差が
ますます増大するだけ。

そんな背景の中で、桓武平氏の同族争いが
地方官へも絡んで、抜き差しならなくなった頑固で
世渡り下手な将門は、周囲からの担ぎ上げも加わって反乱。
関八州と伊豆まで配下に収め、新皇と名乗ってしまう。

ただ、本書が面白いのは上記のような政治描写だけではない。

同族平氏の嫡流貞盛との友情から恋のライバル、
果ては関係が拗れに拗れ仇敵同士になってしまう恋の戦い。

前半は、どうしてここまで拗れしまったのか、
京都の姫君や源氏の姫君の取り合いを
実にうまく描いて、心理描写も抜群。

最後は、将門が負けたことは知ってはいるが、
恋の戦いがどうなったかまでは判らない。
だから二人の戦いがどうなるのか、予想外に面白かった。

将門は戦で正々堂々真っ向勝負を是とする。
叩くなら徹底的に殲滅すべきところでも、
尻をまくって女々しく逃げる背中に情けをかけてしまう。

敵がもたついている時に、奇襲するのは男らしくない、
と敵の体勢が整うまで待ってしまう。

それでも多くは勝ってしまう智将猛将だったのだが、
最後は、自らの過信に敗れてしまう。

ライバル藤太に語らせているように、
将門に謀臣がいれば将門の乱は
どこまで大きくなっていたか分からない。

くどいようだが今一度言いたい、大長編なれど恐れるな、
滅茶苦茶面白い。



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