バイトの労働条件

小川利彦 「日本の傑作機」 の読書感想。

小川利彦 「日本の傑作機」 光人社NF文庫

小川利彦 「日本の傑作機」 光人社NF文庫


陸海軍の傑作飛行機をずらりと並べ、日本の軍事機開発の流れを俯瞰できる。

日本とドイツは職人気質で、研究者も職人の如く、目的や手段のために
様々な設計図を起こし、実験機を数限りなく試作する。

そのため、機種は膨大となり、アメリカの「生産性重視」と対極だった。
資源の乏しい国は、創造のおもねくままに、資源余りある国は、
生産性を更に上げ、物量大作戦に突入だぁ。

研究に研究を重ね、設計し、試作を続ければ少しづつ進化はする。
しかし、貴重な財源資源に人材知能が四方八方拡散し、一極集中、
超特殊機能深化は難しくなる。

陸軍と海軍が切磋琢磨したからこそ、弛まざる競争があったのだが、
重複した無駄が多過ぎた。

空軍を作ったら作ったで、陸軍出身と海軍出身の派閥争いが
起こっただろうし、陸海競合でコンペしたら、根回しや
評議会買収工作など、馬鹿げた不毛が広がっただろう。

海軍の零戦が登場し、陸軍の隼や二式三式が負けじと開発されたが、
陸軍も零戦を活用して、共同して大量生産すればコストも下がるし、
その人的資源は、他の機種開発に回せた。

結果を知っている我々は、そんな陸海の争いを眺められるが、
当時の人達は、必死だったんだろうなぁ。

そんなことをやっている内に、米軍の大量生産が
来襲してくる未来も想像できずに。

本書は戦闘機に限らず、爆撃機や偵察機、練習機まで様々な傑作機を
1ページ1~2機の頻度で、精密なイラスト付きでどんどう紹介してくれる。

ページをめくるごとに、勇壮な軍機が登場するが、
研究開発途中で進行中止となった機が多い事に気付く。

戦争も山場を越すと、急にカネも時間も無くなり、
不毛な競争が、続けられなくなっていった。

もうちょっとで、ビックリ新鋭機が完成するぞ
と張り切っていた研究者も、多くいただろう。

一機一機に、多くの人達の情熱が結集していたんだろうなあと、
しみじみと感じた。



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