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野沢尚 「リミット」 の読書感想。

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野沢尚 「リミット」 講談社文庫

野沢尚 「リミット」 講談社文庫


こわい小説は、ホラーだけじゃない。
本当の意味での「こわい話」は本書みたいなもので、
現実に起こりえそうな話が、最もやばい。

幼児誘拐、人身売買、臓器移植。
この3点が、日本で組織的に行われたら、という仮想小説だ。

学校の帰り道、いじめられっ子は一人、人気の無い道をとぼとぼ歩いてゆく。
遊園地のトイレに、一人で用が足せるようになった男児が入ってゆく。

日本の何気ない風景には、誘拐されやすい状態がわんさかある。
平和日本と言われなくなってきたが、無用心な親子はどんどん増えている。

エリート商社マンの娘が、誘拐された。
白バイ警察官の夫を亡くした女刑事が、誘拐犯との交渉にあたる。

女刑事には小学校低学年の一人息子がいるが、その子まで誘拐される。
犯人は女刑事の子供を誘拐することで、交渉の急所を掴むわけだ。

前半は、児童誘拐や人身売買の恐ろしい話が続く。
中盤は、警察小説のような迫真の誘拐捜査。
後半からは、ダイハード顔負けのアクションに次ぐアクション。

一人息子を取り戻すため、女刑事の鬼気迫る追跡劇。
五百ページ超だったが、まったくダレることなく猛烈に読んだ。


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