バイトの労働条件

重松清 「ビタミンF」 の読書感想。

重松清 「ビタミンF」 新潮文庫

重松清 「ビタミンF」 新潮文庫


直木賞受賞作(平成12年下期)。短編集。
ふしぎ。

誰にも当てはまりそうな、何気ない風景や
ちょっとした事件から、その人の悩みや家庭が
浮き彫りにしてゆく。

でも、深くは共感しないし、ハラハラドキドキでも
ワクテカでもない。自分に置き考えみると、
どよんとした嫌な気分に包まれる。

短編の結末も、できるだけ良い子ちゃんで
明るく希望あるように持ってゆき、あざとい。

どうにもならなくて、
確かにそうなっちゃうのが現実だよな、
的な凄みある終わり方はない。

こういった日常の一齣切りから、問題を浮かび上がらせ、
それでも人は、明日に向かって動き出す。

そんな予定調和が好きな人が多いんだな。
また、この程度で直木賞になったとは、
天下の直木賞とは、不思議な賞だ。


短編7編。

「ゲンコツ」
ローンで手に入れた大型マンション前が、ヤンキーの溜り場に
なり始めている。ガツンと叱れた、若き日々が懐かしい。

「はずれくじ」
当たりもしない宝くじを、死んだ父は買っていた。
そんな想いのころ、大人しい息子が万引きで捕まる。

「パンドラ」
娘が、高校中退のスケボー野郎とつきあっている。
そいつはすけこましで、大事な娘は父親と話さない。

「セッちゃん」
活発な娘のクラスに、セッちゃんといういじめられっ子がいる。
ところがセッちゃんなんて生徒は、存在しなかった。

「なぎさホテルにて」
若い頃、つきあった彼女と泊まったなぎさホテル。
タイムカプセルのようなレターを、数十年後に
発送してくれるサービスがあった。

「かさぶたまぶた」
強くあらねばならない、こうでなければいけない、
と弱気を見せない主人公。そんな行動は、
周囲にプレッシャーを与えている。

「母帰る」
熟年離婚した母は、そのまま別の男のところに走った。
許す事が出来ない母が、父のもとに帰ろうとしている。
父が許すのは、何故?




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